ちゃんと見ててね
地下鉄に乗って座っていたんだ。電車はちょっと混んでいてね。斜め上にぶら下がるつり広告の文字が気になって、ちょっと首を傾げて見ていて、ふと気付くとねえ、、視線上の、吊革をもったお姉ちゃんってば、こっちの視線を気にしてちらちら。おお、なんか「私を見るのはやめて」と言わんばかりの顔つきやんか。(見てへん見てへん。)失礼ながらなにげに知らん顔をさせていただいた。
同じ日なんだよ。東京出張で、仕事をすませてホテルへ向かうべく夜の山手線電車に乗っていてね。電車は少し混んでいたから座ることはできなかったんだけど。それで、ぼくはちょうどドアの戸袋のガラスに貼ってあった広告に、なんとなく目をやってた。しばらくぼんやり眺めてたんだけど、ふとあの時と同じ感覚に包まれる、、、。あっ、、。黒みがかったガラスに映る向こうの世界で、やっぱり吊革を持ったお姉ちゃんがこっちの方を気にしてるやんか。(おまえなんか見てへんっちゅうのに。)みんな、何?そんなに見られてると思ってるのん?
きみたち、みーんな自意識過剰やぞ。きみだけは見ないから安心しなさい。
電車に乗った大勢の人たちってどうせする事もないわずかの時間の中で、自分が他人を観察する分、やっぱり人の目線を気にしたりしているものなのかねぇ。。。そうとすると、、、、ならばなんで一生懸命テレパシーを送るかわいい子に限って全然知らん顔をしているん?(だれもおまえなんかに見られたないわいと思ってたりして、、、。)
さて、そんなことをのたまう自分も、スキー場では思いっきり自意識過剰なんだね、これが。滑るならばリフトの横。それがコブや新雪だったら、なおおっけー。そのステージで、羨望の視線を浴び雪を切り裂いていくことは素晴らしい快感なんだから。(たまに、そんなもんか、という嘲笑も混じる気がするけど、、まあ、よろしい。)スキー場という非日常の中で、普段と全然違う自分が確かにいるんだ、、なーんて確信していたりしてね。
電車のお姉ちゃんとどこが違うって?いやいや、この「見て見て〜っ」っていう積極性が全然違うでしょ。
山が見たら「あほなやっちゃな。」と言うかもしれないけど、リフトの上からのきみの目だけを気にして滑るぼくのけなげな姿を見かけたら、どうぞひと声かけてやって下さいね。